シリコーンフォーム概要|開発品のご紹介|プロセス例|製品セレクションガイド
二液室温硬化型シリコーンフォーム
ダウ・東レの二液型で塗布可能なシリコーンフォームは、自動車、航空、 コンシューマーおよび産業向け機器、電子機器、照明設備、医療機器、電気通信向けに使用されている成形ガスケットおよびフォームテープを低コストで代替することが可能です。
近年になって、従来エラストマータイプの製品が使用されてきた封止材(あるいはポッティング材、エンキャップ、充填剤と呼ばれるもの)としての用途に対しても、軽量化の実現や使用材料の削減による低コスト化などの目的のため、シリコーンフォームが積極的に検討される様になってきました。
一方で、従来有機系の軽量フォームを使用してきた用途においても、高温安定性や低温耐性などの要求性能の高まりに合わせて、シリコーンフォームのポッティング材(封止材)に対するニーズが高くなってきています。
またEVバッテリーや家庭用蓄電池など難燃性や延焼防止性能が求められる用途において、軽量で安価な封止材としても検討されています。
当社のシリコーンフォームは以下のような特長があります。
- 数倍発泡のフォームを形成するため、軽量化が可能
- 塗布されたシールの圧縮永久ひずみが低いため、実用性が高い
- 硬化したフォームシールはモジュラスが低く柔らかいので、より自由度のある接合部分の設計が可能
- 幅広い動作温度や化学物質、紫外線、塵および湿度などを含む厳しい条件下での耐久性のある保護性能
- 難燃性のある製品もラインナップ
- 低粘度製品は封止材としても使用可能
- 適切な場所でフォームに形成できるため、高速かつ精密な加工や生産量の増加を実現、コストが高い自動または手動での実装工程を省くことが可能
- 製造工程での廃棄量を最小化し、後添加の発泡剤が不要である持続可能なソリューション
- 広範囲な種類の二液混合機および吐出機で使用可能
汎用封止材の代替としての軽くて燃えにくいEVバッテリー用シリコーンフォーム(開発品)
ダウ・東レでは、EV バッテリー用に難燃・軽量かつ封止が可能なシリコーンフォーム樹脂の製品開発も行っています。
電気自動車に搭載されるバッテリーは、もしもの際のバッテリーの温度上昇に備えて、ドライバーの安全が確保されていなければなりません。EV安全規制(GTR 20)では、リチウムイオン電池のセルの熱暴走の伝搬に5分の遅延を必要としています。
二液室温硬化型EVバッテリー用シリコーンフォームは、以下のような特徴を備えており、EVバッテリー用セルの間隙を保護・封止する封止材(あるいはポッティング材、エンキャップ、充填剤と呼ばれるもの)を使用することにより、軽量でありながら難燃性付与に寄与しセルの熱暴走の伝播を遅らせることが可能です。
- 二液混合後に、加熱する必要がなく室温で硬化・発泡可能
- 従来のシリコーン封止材と比較して、70%の軽量化を実現
- 流動性・充填性に優れ、容易なポッティング・塗布が可能
- セルの間隙のような複雑な形状に流すためにワーキングタイムを長く設計
- 硬化した発泡樹脂で優れた難燃性と電気絶縁性を実現
- 柔らかいフォームによる振動減衰、セルの膨張・伸縮への追従が可能
- バッテリーセルの温度上昇時に、シリコーンフォームの気泡構造とシリコーンの高い気体透過性で脱気を促進、難燃性と延焼防止に貢献
この様にEV バッテリーの電池セル間をポッティングする(封止する)目的で開発された低粘度の難燃シリコーンフォームは、その信頼性の高さにより、EVバッテリー以外の車載用電子機器向け軽量封止材としても注目されています。
シリコーンフォームのプロセス例
シリコーンフォームは、二液混合ディスペンスユニットと可動ステージや搬送ユニットを組み合わせることによって量産システムを構成することができます。標準的なロボット塗布機を用いて部品表面に直接吐出する工程において、効率が良くなるように 設計されています。

シリコーンフォーム製品セレクションガイド
ダウ・東レの塗布可能なシリコーンフォームの製品ラインアップは、室温 硬化と付加反応の両方のメカニズムを提供しており、温度を上 げることで硬化速度を速めてサイクルタイムを短縮し、生産性を 向上させることができます。当社の製品には、さまざまな流れ性お よびフォーム密度のラインナップがあり、平坦または傾斜した基材面に対するフォームの高さの制御が可能です。
ダウ・東レのEV バッテリー用に応用可能なシリコーンフォームの詳細について、こちらのセレクションガイドををご覧ください。
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